まいけるの独り言 (マニアックな独り言)



機動戦士ガンダムAGE



筆者からの紹介

 親子三世代・100年にわたる戦争を描く、という名目で作られた作品。ガンダムのファン層が高齢化しており、新たなガンダムファン(主に低年齢層)の新規開拓を目指していた。ガンダムを観て育ち、今は親となったガンダムファンと、その子供達が一緒に観てもらうことによって その目的を果たすべく、絵柄は敢えて低年齢層向きのものとした。そのことが従来ファンから反発を買うことになった。

 確かに、私も初めて その絵を見た時は「え゛・・・何これ!? 有り得ない!」と思って一気に戦意喪失。絵からは低年齢向けの幼稚な話が展開されることが連想され、今作品は観ないことにしようかと思うぐらいだった。が、作品を きちんと観ないくせして偉そうに批判するような低俗な人間にはなりたくないので、まずは観ることにした。静止画で絵を見た時は体の中で拒絶反応が起きた私だったものの、実際にテレビで動く絵を観たら不思議と拒絶反応が無く。それは一緒に観ていた妻も同意見だった。また、話の内容は(個人的に嫌いだが)幼稚な物ではなく。ということで、絵柄に関して未だにブーブー言って偉そうにしている連中、あれは本編を まともに観ていない可能性が高い。

 「親子三世代」ということなので、本編が3つの章に分かれている・・・と思っていたところ、実は4章だったのでビックリ。また、最近のガンダムシリーズでは1クール(≒3か月の放送分≒約13話)毎に主題歌が変更されていたのに対し、本作品では章が変わるタイミングで主題歌が変更となっている。

 「100年にわたる戦争」という触れ込みであるものの、これは「第一世代主人公の初陣から第三世代主人公が最終戦闘を行うまでの100年」という意味ではない(もし そうだとしたら、親子三世代では100年を 賄いきれない)。実際のドンパチは休戦期・激戦期を含む足かけ63年間。ドンパチが終わり、火星圏にはびこる死の病「マーズレイ」(火星の強力な磁気嵐に起因する)を無効化させる装置の開発に37年。その合計が100年、ということになる。

 親子三世代・100年分の話を1年間・(約)50話の中で描くことに対し、当初の私は大きな不安を持っていたのだが、残念ながら その不安は的中してしまった。

 1つの章あたりの話が(多くても)15話だけだったため、話の深みが全く無く、非常にアッサリと過ぎてしまい、印象に残らない。50話をかけての起承転結が無い。1つの章に存在するのは「起」と「結」のみ。ロールプレイングゲームに例えるなら、始まって1つ目の洞窟をクリアしたら、次は いきなり最終ボス、という具合である。

 これに伴い、登場人物の描写も非常に淡泊なものとなってしまっている。加えて「折角 登場人物や人物相関をを覚えたと思ったら、もう次の世代の話に移ってしまって、これらがリセットされてしまった!」という事象が2度発生。やってられない。

 話の淡泊さは始まる前から予想できていたものの、実際に観ていて私が1番気にくわなかったこと。それは「安易に・意味も無く登場人物を死なせすぎ」というもの。ガンダム生みの親である富野監督は「皆殺しの富野」と言われるぐらい、登場人物を沢山死なせることで有名である。しかし、それらの「死」は全て意味のあるものだった。それに対し、ガンダムAGEでは「え゛、何で!?」とか「どういう意味が あって!?」と、首をかしげる死の描写が多数。登場人物の死を描くことで視聴者に衝撃と感動を与えよう、というスタッフの浅知恵が伝わってくる。

 これに関連し、本来なら敵の攻撃をモビルスーツのコクピットに受けたらパイロットは即死のはずなのに、何故か重傷ながらも生きていて、(主に主人公と)最後の言葉を交わし、それが終わった頃にタイミング良くモビルスーツが爆発、という描写が多数。バカの1つ覚えである。

 話の淡泊さは ある程度 仕方ないとしても、安易な「死」の取り扱いの多さは観ていて かなり不愉快だった。過去のガンダムシリーズで私が「支離滅裂だな」と思った作品(WやSEED DESTINY)、「つまらなかった」と感じた作品(00)は あったものの、「嫌い」と思ったガンダムシリーズは これが初となった。




印象に残った台詞
 「アイリーン、サラ、少し休んでいいか? ああ・・・ただいま」

 第1章に於ける最終ボス戦(?)にて敵の要塞アンバットを陥落させた後、グルーデック艦長が1人 艦長室に戻り、今は亡き妻と娘に報告をした時の台詞。

 私自身が「親」という立場になって初めてのガンダムシリーズとなった本作品。同じ娘を持つ立場として、もし自分が妻と娘を失うことになったら どうなるか、それを思うとグルーデック艦長に対する感情移入量が膨れ上がり。復讐のために戦い続け、遂にそれを果たすも、妻と娘が帰ってくる訳ではなく。

 初めから それが分かっていたとしても、この時の艦長の表情、そして そこに表れた妻と娘の幻影。彼の心境を察すると、もう、観ていて号泣だった。・・・思い出しながら これを書いている今ですら私の目はウルウル状態だし。

 だからこそ、第2章に於ける彼の最期は「はぁ〜、何それ!?」であり、私を含む多くのグルーデック艦長ファンの逆鱗に触れることとなった。



モビルスーツ ガンダムAGE-1  
 第1章の主人公フリット・アスノによって作られた機体。事の成り行き上から制作者であるフリットが そのままパイロットとして搭乗することになった。アニメ化(テレビ、劇場、OVA)されたガンダムに於いて、主人公自らがガンダムを造り上げる、というのは彼が初めてとなる。(Zガンダムに於いて主人公カミーユがアイディアを出してデザインを手がけたり、Wに於いてパイロット達が自分でメンテナンスすることは あったが、こと「造る」となるとフリットが初)

 特徴の1つとして、搭載された「AGEシステム」により、戦闘によって得られたデータを基に、最適な戦い方をシステムが導き出し、それに適した装備が造り出されていく、というものがある。新しい装備が自動的に造られていく場面、あれは他の勇者シリーズ系列なら まだしも、仮にも「ガンダム」を冠する世界では有り得ない展開である(-_-#)。

 このAGEシステムにより、触れ込みでは「進化するガンダム」とあったので、私は てっきり この機体そのものが進化し、子供・孫も この機体に乗ると思っていたんだけど、そうではなく。確かに この機体は進化していったものの、フリットの息子や孫はAGEシステムによって造られた後継機種に乗ることになる。ただ、よくよく考えてみると、それらの機体はAGEシステムによって造られたガンダムAGE-1の子・孫と解釈することもできる・・・のかな?

 物語が進むにつれ、AGEシステムにより重装甲の格闘戦形態であるAGE-1タイタス、高速動戦形態のAGE-1スパローの換装パーツが造られた。本機の換装はガンダムSEEDにおけるストライクとは異なり、「装備だけを換装」するのではなく、「コクピットと動力部分以外は 本体も含め全て換装」という やり方となる。よって、ストライクの場合は本体が破損すると戦闘続行できなくなるのに対し、AGE-1の場合は本体が破損しても、換装することにより戦闘続行可能となる。(勿論、コクピットと動力部が無傷であることが前提)

 AGE-1タイタスは設定に相当無理のある機体で、リアルロボット世界観を無視したスーパーロボットのような暴れっぷりを見せつける。が、スピードが出ないことが致命的欠陥となり、1回暴れ回っただけで、後は やられ役となる。アンバット攻略の際、戦艦ディーヴァの航路を確保するべく力業で出入り口を こじあける際に再度活躍の場が与えられたが、本体の耐久度以上の出力で無茶ぶりをさせられたため、各関節部分が破損し、戦闘不能になる。タイタスの換装パーツは その場で放棄され、以降この姿で戦闘をすることは無かった。

 AGE-1スパローはタイタスの鈍さに業を煮やした(?)AGEシステムが造り上げた機体。機体の装甲は極限にまで薄く、とことん軽量化が図られ、かつ機体各部にスラスターが取り付けられ、徹底した高速戦闘型となっている。重量増加の原因となるためか、余計な装備・防具は一切無く、戦闘で用いるのは小刀(?)1本のみ。その小刀を逆手に持つところや、高速戦闘をする姿から、別名「忍者ガンダム」。
 ガンダムSEEDのストライクや、SEED DESTINYのインパルスのように、装備の換装を行う機体の場合、何だかんだ言っても、結局は標準装備型での活躍・戦果が圧倒的に多い傾向がある。が、ことAGE-1に到っては(第1章に於いては)このスパローが最も多くの戦果を挙げた。

 第2章では初めのうちのみ第2章主人公アセムの乗機となり、その後AGEシステムを取り外してAGE-1フラットへと改装され、中年フリットが搭乗する。この当時に於いては25年近く前の機体となってしまったものの、「本作品ではモビルスーツの性能に極端なインフレ(肥大化)を起こさせない」という方針が あったことに加え、それ以上に中年フリットの腕によるところが大部分を占める形になり、第2章のボスクラスの敵を圧倒する活躍を見せる。

 第3章ではAGE-1・・・というかAGEシステムというか、ともかく連邦内で量産化の話が持ち上がり、実際に動きがあった模様。但し、紆余曲折のため実現は しなかったようである。しかしながら、初陣から半世紀を過ぎた機体やシステムが軍で評価され、量産化の話が出てきたあたり、AGE-1の しっかりとした土台が証明されたと言える。

 その第3章では拉致されそうになった孫のキオを救い出すべく出撃。フリットが「敵を倒す」ことではなく「キオを救う」ことに執着し過ぎていたため、敵に背を向けてキオを追いかける展開に。そのため、背中から多数の攻撃を受けて破損する。しかし、あれだけ直撃を受けて破損したものの「致命傷」は一切なく、パイロットのフリットもピンピンしていたあたり、半世紀前の機体とは言えAGE-1の底力を見せつけた。

 第4章ではAGE-1グランサーとして大幅に強化・改修された。既に初陣から50年という年月が経っていたものの、フリット爺ちゃんの腕のお陰もあり、第一線で大活躍。最終的にはプラズマダイバーミサイルまで装備していた。

 過去のガンダムシリーズに於いて、最も長く活躍したガンダムといえば、第1次ネオジオン抗争(Z・ZZ)に於けるガンダムMK-II。2年間最前線で戦い続けたとはいえ、後半の1年は かなり力不足を感じることが多かったのに対し、AGE-1は半世紀を第一級の戦闘力で戦い続けたことになる。

 ちなみに、AGE-1は第1章に於いては単に「ガンダム」としか呼ばれていない。これは、本作品に於いてガンダムは主人公が乗る機体しか登場しない(第3章・第4章でエイリアンガンダムが出てきたのは別として)ため、他に区別すべきガンダムが いないためと推測。「AGE-1」という呼び方が登場したのは第1章の最終決戦地アンバットにて。戦艦ディーヴァに表示された戦況地図に於いて、本機体が「AGE-1」と表記されていた。

 最終話のエピローグに於いて、AGE-1は平和をもたらした象徴として、フリットの銅像と共に博物館(?)に飾られていた。AGE-2、AGE-FXを差し置いての この待遇。凄い。



主人公 フリット・アスノ
 第1章に於いては青年パイロットとして第1主人公に、第2章に於いては中年司令官として第2主人公、第3章・第4章に於いてはFF7のシドのような、或いは宮崎駿シリーズに出てきそうな夢を追い求める爺ちゃんのような姿として第2主人公を務める。

 モビルスーツ造りの家系に生まれる。幼少期に故郷のコロニーがUE(ベイガン)の襲撃を受け、その際、息絶える寸前の母からメモリーユニット「AGEデバイス」を受け取った。この中に記録されていた情報を自力で完成させ、その内容を基にガンダムAGE-1を開発する。

 やがてその知能と技術力を地球連邦軍に認められ(幼なじみの祖父が技術者だったので、それで目を付けてもらえたという運の良さも係わっていたものと思われる)、若年ながら連邦軍基地所属の技術者となる。本職は技術者だが、モビルスーツ操縦や戦略にも長けており、UE(ヴェイガン)のコロニー襲撃パターンを解析し、次に襲われるのは自分達のコロニーであることを予測していた。

 果たしてその予測が当たった際、事の成り行きではあったものの自らがAGE-1に搭乗し、(この作品の時代としては)史上初めてUEの機体を撃破。以降はAGE-1の正式パイロットとなる。母から受け継いだAGEデバイスから造り上げたガンダムに対する思い入れは強く、事ある毎に「ガンダムは僕のモビルスーツだ」と発言する。、

 少女ユリンとの出会いを切っ掛けに「Xラウンダー」と呼ばれる特殊能力者に覚醒する(宇宙世紀に於けるニュータイプ・・・とは また違うものの、それと類似した特殊能力者と思ってよい)。尚、フリットに もともとXラウンダーとしての素質があったのか、それともXラウンダーであるユリンと接触することによって能力を受け継ぐことになったのか、については不明。フリットの息子アセムにはXラウンダーとしての能力は無く、フリットの孫のキオはXラウンダーだった。

 幼なじみのエミリーと、上述のユリンとの二股交際という、歴代ガンダムシリーズの主人公と比較すると美味しい展開(?)になる。このことから、将来の嫁が どちらになるのかが全国で予想された。確かに、ユリンが嫁であれば、Xラウンダー同士の夫婦から生まれてくる子供もXラウンダー・・・という展開になっていたかもしれない。が、既に公表されていた第2章の主人公(アセム=フリットの息子)の髪の毛の色からして、エミリーを本命視する声が多数を占め、実際 そのようになった。

 愛人である(?)ユリンが敵に拉致され、(彼女の意思と関係無く機体が動いてしまう)パイロットとして利用され、アムロvsララァ、カミーユvsフォウよろしく、戦場で相対することになり、お約束通り彼女はフリットを庇って彼の目の前で死亡。母親だけでなく、愛人までも目の前で殺されることとなり、フリットのUE(ヴェイガン)殲滅の決意は決定的となる。

 第2章では渋い中年オジサンとして登場。総司令部の司令官になっており、戦略家(作戦を立てる)としても戦術家(パイロット)としても超一流。年を重ねる毎にヴェイガンに対する憎悪の念が増しているようで、その徹底ぶりは周辺の人達の目を白くさせるほどだった。対ヴェイガン戦略と同時に、連邦内に蔓延るヴェイガン内通者の調査も進めていた。第2章の最終決戦ノートラム攻防戦の後、息子アセムや参謀アルグレアスらと共にクーデターを起こす。これにより、ヴェイガンの内通者達を(大物・小物問わず)次々に摘発・粛清し、連邦政府の大幅な組織改革を成功させる。

 ちなみにクーデターの際、情報源の1つと言われていたのがグルーデック元艦長が採取していた極秘情報ディスク。これってグルーデック元艦長が息を引き取る間際、情報漏洩を防ぐために彼が中身を消去していたはずなんだけどぉ〜・・・フリーのデータ復旧ソフトでも使ったんだべか?

 第3章・第4章ではFF7のシド、或いは宮崎駿シリーズに出てきそうな元気な爺ちゃんとして登場。ヴェイガンに対する憎悪の念は最高潮に達しており、孫に様々な洗脳教育を施している。当時、既に軍を定年退職していたものの、ドンパチの どさくさに乗じて強引に戦線復帰。新人が艦長を務めていた戦艦ディーヴァに乗り込み、現司令官のアルグレアスを差し置いて実質最高権力者として振る舞うこともあれば、AGE-1グランサーに乗って戦場で暴れ回ることもあるわで、とにかく元気な お爺ちゃん。

 ヴェイガン殲滅と孫のキオを救うためには手段を選ばないというあたり、完全に暴走老人。息子のアスノや孫のキオからヴェイガンとの共生を進言されるも、聞く耳一切持たず。正しいのは常に自分、ヴェイガンは軍人・民間人残らず全て殲滅せよという、歴代ガンダム主人公達からは考えられないような危険な思考状態だった。

 実際、第4章の最終局面・・・というか、この作品全体を通しての最終決戦地では勝手にプラズマダイバーミサイルを持ち出してセカンドムーンを破壊しようとする暴挙に出る。が、身体を張った孫のキオと息子のアセムによる説得と、死んでいった者達の幻影に さしもの頑固ジジイも折れたらしく。装備していたプラズマダイバーミサイルを花火のように打ち上げ、敵味方問わず全員に対し、セカンドムーンを救うためにラ・グラミスの破壊協力を要請した。

 ただ、たったそれだけのこと・これだけの通信で半世紀以上も戦い続けてきた両軍が一致団結するという展開は かなり強引で無理があり、本編の盛り上がりをよそに、視聴者達の間からはヒンシュクの嵐となった。

 最終エピソードに於いては銅像として登場。流石に そこまでは長生きできなかったようで。銅像の姿は爺ちゃん状態だったんだけど、歴代ガンダムシリーズの主人公で銅像化されたのは・・・彼が初めてでないべか?




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