まいけるの独り言 (マニアックな独り言)



機動戦士ガンダム Gのレコンギスタ



筆者からの紹介

 ガンダム生みの親である富野由悠季が久々に監督を担当、という触れ込みで売り出された作品。同時に「〜〜監督作品!」といった日本独特の宣伝文句が最早通じないことを実感することになった作品。監督が何か開き直って作ったとしか思えない内容に いちいちツッコミを入れ始めたらキリが無いので、観る側も開き直った方が楽しめたりする。

 放送時間帯がガンダムシリーズとしては異例の深夜。だからこそ種種の束縛を受けること無く、あそこまで思い切った&開き直った作品を作れたと解釈することも可能。また、放送期間が初めから半年と宣言されていたことも異例。(通常は1年。たまに打ち切られて9か月ということもある。)

 絵柄について巷では「エウレカセブン!」と揶揄されていた。私の場合、真っ先に思いついたのが同じく富野監督作品のブレンパワード。まぁ〜、どっちも似たような絵柄だからイイか。ただ、慣れとは恐ろしいもので、本編を観進めていくうちに絵柄に対する違和感が いつの間にか消えてしまう。

 時代は宇宙世紀の遙か後。と同時に、∀の前の時代。そのため、宇宙世紀時代の専売特許(?)である「ミノフスキー粒子」が出てきたり、宇宙世紀時代のモビルスーツが(展示品という扱いだが)登場したり、後々の∀に登場する機体に繋がるようなデザインのモビルスーツも多数登場する。

 流石に半年(2クール・26話)という話の短さ故、ロボットアニメでは お約束となっている主人公機体の後継機(2号機メカ)は登場しない。その代わり・・・なのか否かは不明なものの、SEEDのストライクやSEED DESTINYのインパルスも真っ青になるぐらい豊富な種類の追加装備姿を披露してくれる。しかも、1度登場した追加装備は ほぼ使い捨ての1回きりということが大多数で、同じ装備が繰り返し登場することは希だった。このあたりはプラモデルの販売を見据えて、としか思えない。

 ただ、今回のモビルスーツで何が1番話題になったかというとぉ〜・・・はやりトイレをおいて他にないであろう。コクピットの椅子がトイレに早変わり。重力圏内でモビルスーツが逆立ち状態になったら どうなるんだべか? とか、戦闘中に のんびりトイレなんて無理でしょうとか、モビルスーツが爆発したら(核融合エンジンによる)放射性物質の拡散よりも もっと悲惨な展開になりそうとか、色々とツッコミができて楽しい。ただ、残念ながら(?)このトイレ、描写が あったのは2回きり。本編でパイロットが着用するノーマルスーツは このトイレ利用を前提として、チャックの位置が調整されているという何気ない設定も あったりする。機密性は大丈夫なんだべか?

 トイレ並に衝撃的だったのがダンス。エンディングに於けるラインダンスは監督の開き直りの賜物。ちなみに このラインダンスには本編に登場しない人物が どさくさ紛れに描かれている(一説には富野監督の娘だとか)。監督の娘といえば、アイキャッチ(CMに入る前・終わった直後の映像)で登場人物達がダンスを踊っているんだけど、そのモーションアクトレス(作画をする際のモデルになる動きを担当する人)が富野監督の娘。公私混同まで やり始めたか・・・。

 半年(2クール・26話)という話の短さではあるものの、そこは富野監督、手加減は一切無い。悪い意味で。まず、登場人物が多すぎ。出てくる組織も多すぎ。出てくる国・地方も多すぎ。中には会話の中で名前が頻出するも、実際には描かれることのないものも多数。戦闘中の会話は いちいち成り立っていない。独り言が多かったり、相手の質問に全く答えていないような台詞だったり。

 最終的には誰と誰が何を目的として戦っているのかすら分からなくなってしまう。・・・それ以前に、そもそも何故主人公が海賊側についたのか、その理由が全く明らかにならないまま、誰もそのことを不審に思わないまま話が続く。敵対する組織内にも何気なく行き来できたりというのも凄い違和感。

 監督の異名が「皆殺しの富野」。主要な登場人物が次々に死んでいく展開になるためにつけられた異名。但し、何でもかんでも死なせれば良いという最近の安易な設定ではなく、1人1人の死に対して ちゃんとした理由・重みが ある。その点は勘違いしてはならない。で、肝心の本作では・・・意外と死人は少なかった。ただ、「何故この人が死んで、この人は生き残ったのか?」の判別基準は理解できないものが多数。

 このように、私からは悪口しか出てこないような散々な内容。ただ、冒頭で述べた通り ここは開き直って視聴すると それなりに楽しい・・・のかもしれない。




印象に残った台詞
「〜〜〜なんだからぁ〜っ!」
 主人公がモビルスーツに乗ってドンパチしている際、よく言っていた独り言・・・なのか噛み合わない会話なのかは最早判別不能。



モビルスーツ G-アルケイン 
 伝統的に私が好む準主人公/第2主人公が乗る機体。ゴレンジャーで言うところの青レンジャーのような存在(但し機体の色は赤い。とはいえ3倍の早さで動く訳ではない)。今作では主人公の腕っ節も機体もズバ抜けて凄い設定になっているため、いかに準主人公の機体とはいえ大いに活躍したとは言えない。これは機体その物の性能やパイロットの腕、居合わせた戦場での物理的位置といった要因が絡むんだけど、非常に残念である。

 本編ではヒロイン(又は準主人公又は第2主人公)であるアイーダが搭乗。G-セルフとは異なり、搭乗パイロットの生体認証機能は無く、誰が乗っても操縦できるが、全編を通して彼女が乗っていた。

 ヘルメスの薔薇と呼ばれる過去の高度文明時代の設計図を基にアメリア軍(海賊)が作成。但しアメリア軍の技術力および純地球産の材料では設計図本来の性能を再現できていない。そのため、本来は この機体のために開発された追加装備パックの大部分を装備でききず、これらはG-セルフに流用させていた。最終決戦近くになり追加装備を使っている場面が あったが、これは本来の追加装備ではなく、G-アルケイン用に(スペックダウンさせて)用意された物である。

 設定上はG-セルフに遠く及ばない性能になってしまっているが、それでも他の機体と比較すると高性能であることは確か。長距離砲を装備し、パイロットの腕が上級者とは言えないアイーダが乗っていても そこそこの戦果を挙げるに到っている。実は機体が飛行機型に変形できることになっており、漫画版やプロモーション映像にてその形態を披露しているが、テレビ版本編では変形場面は出てこない。変形したらトイレタンクの向き、どうなるんだろ・・・。




ヒロイン アイーダ・スルガン
 本編のヒロイン、又は準主人公、又は第2主人公と呼べる存在。登場当初は海賊だったけど、実は お姫様だったことが後々に判明。更には身近にいる人物が実は弟だったことも判明し、本人は驚いて事実を認めようとしないものの、徐々に人間として成長し、事実を受け入れるようになる・・・という、王道の展開。

 義父に育てられていたため(本人は実父と思っていた)、普段名乗っている名字は「スルガン」。ただ、その名前に関して物語の前半でキャピタルに捉えられた際、分かる人には分かる笑える展開が あった。キャピタルから見れば敵の親玉であるスルガン提督、その娘であることを隠すために名乗った偽名が「レイハントン」。これはG-セルフに乗る際にアナウンスされる「レイハントン・コード」の音声から咄嗟に取ったもの。なんだけど、実は そのレイハントンという名字こそが姫としての彼女の本名だった。・・・ということを この作品を2回目に見た際に気付き、思わず吹き出してしまった私。これ、「もう1回見直したら違った味が出てくる」という富野監督のイタズラだよね、きっと。

 主人公のベルリとの関係の変遷も なかなか面白かったりする。初めは敵対勢力。次が恋人の敵。いつの間にか味方になるも、信用ならねぇ〜奴。信頼できる仲間。なんかイイ感じの男女の仲。・・・ときて、実は姉弟。この事実が判明する前に男女としての一線を越えてしまっていたことを ほのめかすような描写が ところどころにあり(確証は無いものの、過去の富野作品に於ける裏設定の傾向からすると・・・)、お互いが姉弟と分かった状態で どう接すれば良いのか分からず、不器用に・不自然に ふるまってしまうところが実は可愛かったりする。




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