まいけるの独り言 (マニアックな独り言)



機動戦士ガンダムSEED



筆者からの紹介
 1990年代に放送されていたガンダムが『平成ガンダム』と呼ばれているのに対し、今回のSEEDは21世紀(もはや死語)最初のTVシリーズガンダムである。絵が以前にサンライズ系で制作されていたリヴァイアスやスクライドに酷似し過ぎていると言われたり、ふんだんにGCが使用されていたり、こんなのガンダムぢゃないと言われたりと、批判される部分もある。が、よくよく考えてみれば ガンダム初の続編となったZガンダムの時も同じような批判を浴び続けたものの、それはすぐに覆され、高く評価されるようになった。いつの時代においても 何か新しいことに対して賛否両論は起きるものである。

 SEEDという作品が歴代ガンダムと性質を異にしている部分は沢山ある。まずはOSの概念。機体のハード的な性能ばかりが取りざたされていたガンダムシリーズ、ひいてはロボットアニメにあって、今回はソフト的な部分にも細かな設定が行われるようになった。これも時代の影響と思われる(良い意味で)。

 そして『ガンダム』という名前は機体の名称ではなく、OSの頭文字を取ったもの、という部分も大きな違いである。そのため、「ストライクガンダム」という名称はCMやプラモデルにおいてのみ使われている名称であり、本編中では(基本的に)機体その物に対して「ガンダム」という名称は用いられていない。

 戦闘場面にも大きな変化が見られる。従来であれば ただ単に「撃てい!」で終わっていたのだが、今回は攻撃兵器・防御兵器・配置・地形といったものを取り入れた、本格的な戦術・戦略が取り入れられるようになり、見る側を唸らせた。その一方で、全くドンパチが行われない話も随所に見受けられた。が、決して『ドンパチが無い = つまらない』とはならず、話の内容も非常に濃いものとなった。

 話の流れ的には初代・Z・ZZの流れを受け継いでいる感がある。コロニーにおいてドンパチが起こり、偶然居合わせていた少年が そこにあったガンダムに乗り込み、初陣にて戦果を上げ、そのまま正式パイロットになる、というものである。が、ここで歴代ガンダムと大きく異なっているのは その少年の能力に対する本人および周りからの評価である。従来のガンダムの場合、たまたまパイロットとなった少年が戦いの中で徐々にニュータイプとしての能力を開花させていく、というものだったため、最初からモビルスーツを操れていた時点では『奇跡』と言われていた。が、今回のSEEDにおいては、主人公の少年は最初から自分がコーディネイターであることを自覚しており、また 周りの仲間達も最初から彼のコーディネイターとしての能力に期待をかけている者もいれば、それを忌み嫌う者もいる。そんな、自分の持つ特別な能力と戦場、そして人々との関わり合いの中で苦悩する主人公の姿が何とも痛々しい。

 本編とは直接関係無いのだが、声優陣も かなり豪華。歴代のガンダムに出演していた声優も数多く この作品に出演しており、その声を聞くだけでガンダムという歴史の重みを感じる・・・とまで言うのは大げさかもしれない(^_^;)。

 また、これも本編とは関係無いのだが、2代目オープニングテーマ曲『moment』は20年以上の歴史を持つガンダムシリーズにおいて、初のデュエット曲である。



印象に残った台詞
「アスランが信じて戦うものは何ですか? いただいた勲章ですか? お父様の命令ですか?」
 ラクスが かつての婚約者であるアスランと再会し、彼に銃を向けられた時に問いかけた言葉。いつもは おっとりとした印象の彼女だが、この戦争の意味、真に戦うべき相手が何であるか、それを最初に悟ったのは彼女であった。彼女の言葉はアスランが後に第三勢力に身を投じる切っ掛けを与えることとなる。



モビルスーツ ストライク
 へリオポリスにて地球連合が極秘製造していた5機のGATシリーズモビルスーツのうち、唯一 連合側の手元に残った機体である。これら5機のモビルスーツに共通となっている特徴は『フェイズシフト』という、相転移装甲(実弾系の武器に対する一種の防御膜)を装備している点である。宇宙世紀時代に『Iフィールド』というビーム系の武器を無効化する防御装置が存在していたが、今回のフェイズシフトは その逆ということになる。
 前半に於いては主人公キラの搭乗機として活躍。中盤のヤマ場におけるイージスとの戦いにおいて中破するも、その後オーブにより回収・復元される。その際、ナチュラルでも操縦可能なOSに書き換えられ、後半はフラガ少佐が搭乗することとなる。また、その際に予備用パーツがいくつか製造され、その予備パーツを組み合わせて もう1機のストライク(ルージュ)が製造された。ストライクルージュの出撃は最後の2話のみであったが、主人公キラの双子の姉であるカガリがパイロットを務め、それなりの戦果を上げた。
 ストライク最大の特徴は装備換装をすることにより あらゆる戦局に対応できるという点である。いかにもスーパーロボット大戦に登場した際に是非とも使って下さいと言わんばかりのような気もするが・・・。ともかく、換装種類は以下の通り。

●ノーマル
 オプション装備を何もつけていない状態。基本装備はアーマーシュナイダー(コンバットナイフ)・イーゲルシュテルン(バルカン砲)のみ。重装備をしている状態で燃料切れ寸前となった際、それらの装備を外して身軽で省エネなノーマル状態となり、起死回生の一撃を放つ場合もある。また、歴代の主人公ガンダムの中で ビームサーベルを標準装備していない唯一の主人公機体である。
 
●エールストライク
 機動性と汎用性に重きを置いた装備。大気圏内においても ある程度の飛行戦闘が可能。分かる人にしか分からない話になるが、このエールストライカーは機甲戦記ドラグナーに登場した飛行ユニットの『リフター』と同じ役割を果たしている。エールストライクの装備はビームライフル・ビームサーベル・シールドという、最もガンダムらしい内容となっている。
 しかしながら、良い意味においても悪い意味においてもバランスが良すぎる装備であったため(中距離戦用のビームライフル、接近戦用のビームサーベル、防御用のシールド、長距離高速移動用のエールストライカー、何でも揃っている)、後半は ほぼ全てエールストライク装備にて出撃することとなり、他の2形態は陽の目を見ないこととなる。しかも、物語の大詰めで登場したクローン機ストライクルージュは何の疑いも無しに この装備だったし・・・。様々な戦局に合わせて換装する、という本来の姿は一体どこへ・・・(-_-)。
 そんなエールストライクが装備している物の中で驚愕するべきは やはりシールドであろう。大気圏突入時にバリュートの役目を果たしたり、ミサイルの直撃に耐えたり、ビームライフルを弾き飛ばしたり、ビームサーベルすら受け止めてしまうという離れ業だけでなく、アークエンヂェルの同型艦であるドミニオンのローエングリーン(戦艦用メガ粒子砲のような兵器)の直撃にすら ある程度耐えてしまうのである。ここまで来れば「汎用型」と言うよりは「鉄壁の防御型」と呼ぶべき装備なのかもしれない。
 圧倒的に登場回数の多かったエールストライクではあるが、意外にも「これ!」という戦果が 無かったりするのは あまり知られていないかもしれない。戦場において数多くの一般機を撃墜しているのだが、隊長機クラスの敵を撃墜したことは無いのである。あくまでバランス重視装備ということで、絶対的な決定力には欠ける、ということであろうか?

●ソードストライク
 接近戦に重きを置いた装備。背中に巨大なシュベルトゲーベル(対艦刀)を、左肩にはマイダスメッサー(ビームブーメラン)を、左腕にはパンツァーアイゼン(ロケットアンカー)を備えている。シュベルトゲーベルは破壊力こそ高いものの、大柄のために 素早い近接戦闘には向いておらず、むしろ対空砲火をくぐり抜けた後に大型戦艦に対して有効な武器となる。マイダスメッサーはブーメランとして戻ってくる際、敵の背後から相手の脚を切り裂く場面が多々見られた。パンツァーアイゼンに関しては・・・全部敵に弾き飛ばされてしまい、武器としての存在意義に疑問符が付くような気がした半面、シールドとしては結構活躍していたような気がする。
 コロニーの中のように飛び道具を使えない戦場や、ビーム兵器が無効となる水中においては必然的にこの装備による出撃が増えるのだが、全話を通すと 登場回数は圧倒的に少なかった。が、序盤においてはミゲルの機体を、中盤においてはニコルの機体を撃破し、中ボス(?)戦において その実力が発揮された機体、と言うことが できるであろう。

●ランチャーストライク
 遠距離戦に重きを置いた装備。超高速インパルス砲『アグニ』や大口径のバルカン、それにミサイルを装備して火力が格段に強化されている。ちなみにアグニという名前はインド神話の火神に由来し、ストライクでは最大級の破壊力を誇る。
 しかし悲しいかな、このアグニの破壊力を いかんなく発揮できた場となると・・・へリオポリスコロニーを破壊してしまった場面ぐらいで、戦場においては ほとんど宝の持ち腐れ状態(モビルスーツ相手には必要以上に破壊力が あり過ぎる)であった。挙げ句の果てに後半に1度だけこの装備で出撃した際、当時のパイロットであるフラガ少佐に「ちいっ、この装備では・・・(無理だ!)」と言われてしまう始末である。
 そんなランチャー装備であったが、陽の目を見ることがあったとなると、ランチャーストライクとしてではなく、むしろ地球編にて登場した支援戦闘機スカイグラスパーの追加装備として、であろう。ナチュラルが操縦する戦闘機 対 コーディネイターが操縦するモビルスーツという対決図式において、フラガ少佐は この装備を駆使してバスターを半壊・戦闘不能に追いやるという輝かしい戦果を挙げた。

 ストライクは歴代主人公機体の中において、動力源がバッテリーとなっている初の機体である(*1)。そのため、もともと稼働時間が短い上に フェイズシフトを動かすことにより 更に稼働時間が短くなっているのが悪しき特徴となっている。しかし、上記の装備を換装することによって 再び燃料が満タン(?)となる。 

 尚、本編中でこの機体は『X-105 ストライク』と呼ばれており、『ガンダム』という名称は機体起動時に画面に表示される
General
Unilateral
Neuro-link
Dispersive
Autonomous
Maneuver
の頭文字を取ってキラが使っていた名称である。和訳すると・・・さしあたり『単方向分散型神経接続方式汎用自動演習合成システム』といったところか。


モビルスーツ フリーダム 
 第3クールのOP曲の中で初登場し、すぐさまプラモデル化されるも、実際に物語に登場したのは第4クールにさしかかろうとしていた時期だったという、何とも じらしのきいた2号機メカ。(主人公側から見れば)敵軍によって開発されたモビルスーツを主人公が強奪し、正義の味方役とした機体でもある。
 この機体の特徴は何と言ってもニュートロンジャマーキャンセラー(*2)が装備されていること。これにより核エンジンを搭載可能となった。その結果、バッテリー駆動のストライクの4倍もの出力を持つようになった上、いわゆるフェイズシフト・ダウン状態が存在しなくなる。
 武装に於いては、肩部にM100バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲(イージスの主砲「スキュラ」と同等の威力)が2門、腰部にMIMI-M15クスィフィアス・レール砲(デュエル アサルトシュラウドの主砲「シヴァ」と同等の威力)を2門持つ。機動性に於いても優秀で背部に装備された10枚のバインダーを展開させ、重力圏内においても飛行できるなどの高い機動性を持たせている。
 最終決戦に於いて大破・・・と言うより中破するものの、核エネルギー機関は無事だったため、その後オーブに回収されて修復を受ける。そして続編となるDESTINYに於いて再びキラが搭乗して鬼神のごとき強さを発揮する。この時代となっては2年前の機体ということになってしまうのだが、核エネルギーは伊達ではないようで、グフ、フォースインパルス、そして強奪されたガイアでは全く歯が立たなかった(勿論、これはパイロットの腕によるところも大きいものと思われる)。


(*1)
 後に「血のバレンタイン」と呼ばれた連合側によるプラントへの無差別核攻撃。この惨劇を繰り返さないため、プラント側にて核反応を無効化する「ニュートロンジャマー」と呼ばれる技術が開発され、この時代は 至る場所にこの装置が配置されている。そのため、核兵器は勿論のこと、核動力も使用不能となったため、多くのMS・MAの動力にはバッテリーが用いられることとなる。


(*2)
 上記のニュートロンジャマーによる核反応抑止を無効化する装置。これにより、この時代では使用不能となっていた核エネルギーを動力源とすることが可能となり、ほぼ無限に近いエネルギー供給を受け続けることができる。但し、無限なのは動力エネルギーであって、武器弾薬や推進剤は核エネルギーとは無関係なため、補給が必要な気が多々するのは私だけではないはず! 尚、この時代に核エンジンを搭載しているのは フリーダムと その兄弟機であるジャスティス、そしてプロヴィデンスの3機のみである。
 ここで言うところの「核エネルギー」が 原子力に用いられている「核分裂」なのか、はたまた従来のガンダムシリーズ同様に「核融合」なのかは明確にされていない。一部の場面において放射能マークが描かれていたことを考慮すると、個人的には「核分裂」と推測するものである。この推測が正しかった場合、フリーダムとジャスティスはガンダム史上 初の原子力で動く主人公機体、ということになる。パイロットは被爆しないのだろうか???


主人公 キラ・ヤマト
 コーディネイターであるが、両親はナチュラル(つまり第一世代コーディネーター)なので、戦火を避けて、中立コロニーで暮らしていた。アスランに貰ったトリィ(鳥形ロボ。命名そのまんま)を宝物にしている。
 突然の戦火に巻き込まれ、事の成り行き上からストライクに搭乗することとなり、その後も引き続きパイロットを勤めることとなる。初めのうちは軍の機密情報を知ったために艦から下ろしてもらえないとのことで渋々戦っていたが、後に仲間を守るために自らが志願して連合軍に入隊し、引き続きパイロットを務める。
 13歳の頃まで共に学んだ仲だったアスランと戦わねばならない状況になったり、Vガンダムに登場したカテジナの再来とも言われている(?)プッツン女のフレイに何度も強姦されたり(*^_^*)、それが故の泥沼の三角関係に陥ったり、本来は望まぬ殺し合いをしなければならなかったり、自分がコーディネイターであることに対する複雑な心境といった様々な心身的な重圧により、苦しむ日々が続く。
 それが極限状態に達した時、文字通りに開花するマッカーサーシステム。早い話がプッツンしてしまうことにより戦闘能力が格段に上がる状況なのだが、この時のキラは瞳孔が開いてしまっており、見ていて怖い。また、通常は『キレる』となると何か危険さや血生臭さを連想するのだが、この作品においては それとは正反対の美しい効果画面にて表現されるため、そのギャップの大きさがまた面白かった。


名脇役(?) ムウ・ラ・フラガ
 地球連合軍のエースパイロット。メビウス0が装備している有線アーム砲を使いこなせる唯一の人物であり、アークエンジェルの数少ない大人。初登場時は大尉だったが、15話より少佐に昇進。給料が上がるのはイイが、使う暇が無いと嘆いている。
 元々は地球軍第7軌道艦隊所属だったが、乗り込んでいた船を失ってアークエンジェルに転属となる。パイロット経験の少ないキラに対し、アドバイスを与える優しい兄貴分。副長がドぎつい性格だったり、艦長も立場上 厳しい立場を取らざるをえないアークエンジェルにあって、彼の優しさはキラにとって大きな心の支えとなる。
 ザフト軍のエースパイロット、ラウとは曰わく付き・因縁付きの宿敵同士。「エンデュミオンの鷹」と呼ばれ、グリマルディ戦線ではメビウス1機でジンを5機落とした。が、物語の中で彼の私生活場面が出てくるたびにプレイボーイ雑誌を読んでいるあたり、どうもその情報は信憑性に欠けるような気が・・・(^_^;)。



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